『人新世の「資本論」』読了
授業がやっと終わり、積読を少しずつ崩す。 33歳の研究者の本で、頼もしいなあと思う。 ごく身近な人も巻き込まれた7月の熱海の「人災」(土石流)、学生たちの祖国の大規模な山火事、東京でも新潟でも札幌でも、このひどすぎる暑さ・・・...
パリで先生が殺されたこと 2020.10.18
犯人は、イスラム教徒の18歳男子だった。 「アラーアクバル」と叫んで、犯人も警官に射殺された。 殺された教員は、数週間前の授業で表現の自由を取り上げた。 イスラム教徒の生徒に手をあげるように言い、教室から出ていってもいいと指示した。...


十条銀座・十条富士見銀座歩き
年末の夕方6時、東京都北区の十条駅に着く。 昔からの仲間と、クルド家庭料理「カフェメソポタミア」で忘年会。 約束の7時まで、十条駅近くの十条銀座と十条富士見銀座の商店街を歩く。 安いしおもしろいし、WEB上でも食べ歩きの人気商店街だというのは、わかった。...
『もの食う人びと』辺見庸1994再読
すでに24年も前の本なのだなあと思った。 当時は単行本で買ったのだが、その本は手元になく、Amazonで文庫本(1997)をあらためて入手。 ハノイのフォーの別名が「愛人」というのは、はじめて知った。ベトナム人にとってご飯が正妻、それに飽きたときに食べる麺だから愛人。なん...
洪世和(1997)『コレアン・ドライバーはパリで眠らない』みすず書房
洪世和は現在、韓国の政治家・社会運動家だが、1970年代末からパリでの亡命生活を送った人だ。韓国から亡命?とも思ったけれど、それはわたしが隣国の歴史を知らないからで、1979年の「南民戦」事件という朴政権時代の「国家体制の転覆」をめざしたとされる人々が検挙された事件の関係者...
「バーンガ」の衝撃
「バーンガ」は、異文化理解のためのシミュレーションゲームと説明されて、日本語教育能力検定試験などにも出題される語彙のようだ。 静岡大学の原沢伊都夫先生のワークショップ(研究社)で、初体験。 シミュレーションと言っても、演劇的にロールを演じて立ち回るというようなゲームでは...
中国からの特別聴講生たちの日本語
職場の大学には、この4月から広東海洋大学寸金学院の学生たち8人が半期の短期留学に来ている。 全員が日本語学科の学生たちで、2年生と3年生。 そして、全員が大学入学時には、日本語の知識はほぼゼロだったという。 『みんなの日本語』を使い、一クラス30人ほどのクラスで、「私語厳禁...
言語文化教育研究学会年次大会シンポ・スライド
言語文化教育研究学会年次大会シンポジウム「言語文化教育のポリティクス」で発表しました。 恩師の庵功雄先生やスティーブジョブスみたいな寺沢拓敬さんのあとでビビりましたが、お二人に倣い、使ったスライドです。 関西学院大学まで来てくれた一橋の仲間たちや、今回参考文献を提供してくだ...
苗字が先か、名前が先か
三鷹の古本屋の100円均一の箱をのぞいたら、杉本良夫『「日本人」をやめられますか』があったので買った。 以前に読んだけれど、三鷹と新潟と新発田の本棚のうちのどこにあるのかわからなくなってしまっているため。 そのなかに「「民族文化」と「姓名順序論争」」という章があり、自分の名...
「ごめんなさい」のこと
町屋の日本語教室に行った。 町屋に行くと必ず「お茶レクチャー」を頼まれるので、口下手のわたしは少し面倒でもあるのだが、考えたこと。 『クリティーク多文化・異文化』を読み直していることもあり、「本質主義」的な物言いについて話した。...